80歳でサーフィンを始め、江の島を拠点に90歳になった今も波乗りを続けている男性がいる。大和市在住の佐野誠一さん。2022年には世界最高齢の男性サーファーとしてギネスにも認定された。「『高齢だから』と諦めるのは好きじゃない。まだまだ、これから」と話す佐野さんに、人生100年時代を豊かに生きるヒントを聞いた。
--サーフィンを始めた理由を教えて下さい。
「80歳になり仕事に余裕が出て、まず挑戦したのは富士登山。その翌週、『そうだ、サーフィンやろう』と思った。興味なかったんだけど突然に。すぐに藤沢市役所に電話して、クラブを紹介してもらった。富士登山の翌週にサーフィンを始めて、気づけば10年が経っていた」
--80代のサーファーは珍しいですね。
「私はそう考えなかった。年齢のせいにするのは潔くない。自分の名刺には『香気幸令者(こうきこうれいしゃ)』と書いている。『後期高齢者』なんて言われるの嫌だからね」
--2022年にはギネスに認定されました。
「『世界最高齢の男性サーファー』として認定されたけど、そのために続けてきたわけではないよ。『ただ、やりたい』から海まで来ている。江の島のスクールに来て準備体操しているだけで、不思議とホッとする。海の中に入れば自由気まま。だから楽しいよ」
--ご自身を「さざなみサーファー」と呼んでいますね。
「高い波に乗らなくても楽しむことはできる。さざなみであれば、年齢や性別に関係なく楽しめるし、高い波が来ない海でもできる。もっと気軽にサーフィンを始める人が増えてほしいね」
おっくうがらず行動
--人生100年を豊かに生きるには。
「自分の場合は身体の調子で、まずは元気であること。経済的な部分も大切だね。また、『おっくう』という言葉があるけれど、おっくうがると全てが後手に回っちゃう。前向きにポジティブに生きるには『やろう!』と思い立った時に行動すること。そうしてきたから、今の私があると思っている」
--おっくうになる瞬間はないのでしょうか。
「いや、私もあるよ。人間だから、みんなあると思う。体調が悪い時や精神的に弱っている時は特にそうで、全てが逆になる。だからこそ、身体や心の健康を日々保つことが大切だね」
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