昨夏は県16強まで駒を進め、文武両道を掲げる公立の雄として確かな成績を残した。夏を経験したメンバーも3人おり、「個々の能力は上の代を上回る」が指揮官を含む周囲からの下馬評だった。そのはずだった。
ところが新チームが始動してから結果が伴わず苦しい時期が続いた。昨秋は3回戦で横浜隼人に大敗を喫し、春は山手学院に初戦で敗れた。
練習試合でもろくに白星が飾れない。チームの雰囲気は重くなり、日々の練習にも影を落とすようになっていた。
主将としての焦りだけが募った。そこで、同級生のメンバーにこう呼び掛けた。「今までのチームを振り返って、思うことを教えてほしい」。朝、ミーティングの場で意見を突き合わせると、あることに気が付いた。
立て直しに必要なものは何か。個々の技術、戦略、練習、生活態度、皆視点がばらばらだった。
思えば同期はマネジャーを含め18人おり大所帯だ。人数が多い分、意思疎通は難しくなる。欠けていたのは、話し合いではなかったか―。以来、意識的にミーティングの場を増やした。
ようやくだ。夏が射程圏内に入ってから試合内容や結果が伴うようになってきた。チームの雰囲気も良くなり、好循環の波をつかみつつある。
目指すは昨夏の16強超え。「自分たちがそうであったように、下の代に頂点に近づいていく実感をさせてあげたい」。そのために必要なことは明確だ。
「まずは目の前の一勝。その積み重ねの先に、甲子園がある」
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