土地・建物まるわかり相談会
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市内各所に演劇を中心とした芸術やアートの拠点をつくる「藤沢ランドスケープシアター」と銘打ったプロジェクトが本格始動した。鵠沼松が岡で建築設計事務を営む木津潤平さんが企画・運営の舵を取り、自然と歴史、建築の3つの地域資産を活用。17日には、フジサワ名店ビルでオープニングイベントを開き、ここを皮切りに「建物を持たない劇場」を今後も拡大。新たな価値を創造し、地域活性化を図っていく。
第一弾は「391地区」
普段劇場ではない空間を利活用して演劇を行うことを「ランドスケープシアター」と呼ぶ木津さん。これまで30年間にわたって野外や建築現場などを舞台芸術の場に生まれ変わらせ、世界各国から称賛を浴びてきた。
そんな木津さんが今回目をつけた場所が、2027年夏をめどに営業終了予定の名店ビル、ダイヤモンドビル、CD(プライム)ビルのある一帯「391地区」。「取り壊しが決まり、少しずつ空きテナントも増えてきた。このままひっそりと消えてしまうには、あまりにも寂しい」。役割を終えるまでの間、劇場として隙間を埋めることを考え、ビル側に了承を得て、建替工事が始まるまでの26年3月まで多様な芸術活動を定期的に展開することになった。
391地区に小劇場やリハーサルスタジオ、アトリエをちりばめ、舞台芸術家が活動する場づくりを構想した。また、名店ビルのスタジオの隣には、海外劇場のバックヤードにあるアーティスト用ラウンジ「グリーンルーム」も設置。出演者だけでなく、演出家やプランナーなどスタッフも交流できるサロンだ。
オープニングイベントには、市内外から約30人が参加した。ビルの床や壁の模様、キズなど凹凸の上に紙を重ね、紙巻鉛筆でこするように描くことで形状を写し取る技法「フロッタージュ」を皆で体験。出来上がった作品をスタジオの壁面に貼りだして鑑賞した後、アーティスト「たくみちゃん」がコンテンポラリーダンスを披露した。そのほか、中庭のハゼノ木広場でミュージシャンによるストリートジャズセッションもあった。
参加者の前でプレゼンテーションを行った木津さんは、391地区から始め、自然の景観を生かした江の島での演劇祭、遊行寺ではストリートパフォーマンス、現存する日本最古のクラブハウスがある善行の県立スポーツセンターで能登復興支援チャリティーイベントなどを催す計画を明かし、「新たな息吹をもたらし、多くの人に文化の力を再認識してもらえれば」と展望を語った。
今後は名店ビル6階を運営拠点とし、木津さんを含む有志が集まって計画を練っていくという。
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