福岡県で8月2日から4日に開かれた全国高校総体(インターハイ)テニス競技団体戦で、湘南工科大学附属高校男子テニス部が11年ぶり5度目の優勝を果たした。
同校は今年、ジュニア日本代表である川西飛生選手(1年)や松村怜選手(2年)、全中ベスト4などの戦歴を持つ名雪楽工選手(1年)など、全国トップクラスの実力を持つ選手を擁している。大会開幕前から掲げたのは「全国優勝」。主将を務めた安藤雄哉選手(3年)は「チームに勢いを感じていた。うまく波に乗れたのではないか」と振り返る。
団体戦では、1校につき5選手がダブルス、シングルス1、2に分かれて対戦する。同校は2回戦と準々決勝でストレート勝ちをするなど、順調に駒を進めた。「最初はみんな緊張していたが、勝利を重ねていくうちに楽しくなり、各々が自分らしいプレーをできるようになった」という。
着実に勝利を収めていくチームだが、準決勝の相手である柳川高校(福岡)には苦戦を強いられた。ダブルスでは敗れ、シングル1の杉本一樹選手(3年)が勝利。決勝進出を賭けたシングル2に安藤選手が臨んだ。序盤は1点リードを許し、追う展開に。「相手はショット力が高く、甘いボールも見逃さないので苦しかった」。中盤から逆転し、その後も粘りを見せ勝利した。進んだ決勝でも相生学院(兵庫)に2―1で勝ち、日本一に輝いた。
「試合で辛いときは日々の練習を思い出していた」という安藤選手。放課後5時間に及ぶ練習で、体力や技術のみならずメンタルや集中力が鍛えられた。同校では、外部のクラブチームに所属しながら部の練習にも参加する選手も多い。瀬野圭紀監督は「テニスは個人競技の側面が強い。個性を伸ばしながら、チームとして質を高めていく指導を心がけた」とした上で、優勝という結果に「選手たちの競技人生はこれからも続き、チームも戦っていく。これで終わりではないけれど、よく頑張ってくれた」と選手たちをねぎらった。
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