藤沢駅南口に立地する商業ビル「フジサワ名店ビル」が先月末、新冊子「名店シンブン」を発刊した。表表紙に奇抜なゾウを描いたのは、かつて藤沢市民だったイラストレーターの安齋肇さん。新聞折り込みや周辺店舗などで配布され、今話題を呼んでいる。
2027年夏をめどに閉館予定の名店ビル。運営会社で取締役を務める増田隆一郎さんは「”藤沢の台所”として地元の人々に親しまれてきた建物の記録を残したかった。また市内に移住し、ビルに一度も訪れたことのない若い世代が目を引く冊子を手に取ることで、来店に結びつけば」と製作の意図を明かす。
コンセプトは「カオス」。タブロイド誌「OFF SEASON」を手掛ける佐野崇さんが編集人となり、毎回異なるアーティストが表表紙と見開きをデザインするほか、「名店ジンブツ」「名店トリビア」「だから、名店ビル」といった連載、フォトグラファーで「サーフィン界のレジェンド」ともいわれる横山泰介さんが撮影した店主などを通し、名店ビルの魅力を余すことなく紹介する。裏表紙には元プロサーファーで写真家、ライターなどマルチに活動する船木三秀さんが「追憶のフジサワ」と銘打ったコラムを執筆。全9号の発刊を計画中だ。
発行人として増田さんは「最強メンバーで、ローカル色を色濃く出した。配架先から『もうなくなったよ』とうれしい反応も。たくさんの人々に面白がってほしい」と笑顔で呼び掛けた。
次回発刊は12月予定。
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