辻堂神台の藤沢市アートスペースで個展「皮膚のデザイン」を開催している 廣川 玉枝さん 藤沢市出身
目指す究極は「皮膚」
○...衣服を「第二の皮膚」と捉え、無縫製の技術を用いて伸縮性、機能性、美しさを兼ね備えたニット「Skin Series」のデザインと開発を手掛けている。マドンナやレディー・ガガといった各国のアーティストから採用され、2020年東京五輪の表彰台ジャケット素材をアシックスと共同開発するなど、国内外から支持を集めている。
○...藤沢に生まれ、高校卒業まで過ごした。絵を描くのが好きな大人しい子どもで、主に人物画を描いていた。「昔から人間に興味があった」。ファッション雑誌などの影響で、メイクや衣装にも惹かれた。「芸術を社会に生かしたい」という思いと重なり、服飾の専門学校に進学した。
○...専門学校では、人体解剖学の講義で筋肉など人体の構造に興味を持った。その後、ファッションデザイナーの故・三宅一生さんに師事し、元からある布を縫い付ける立体裁断ではなく、生地から服を作るというプロセスに刺激を受けた。「網目からデザインでき、糸や染色の方法から選べる。人間の細胞からデザインできるイメージ」。三宅さんなど世界的なデザイナーが出展する展覧会で「第二の皮膚」という考え方を知った。「プロが目指す究極は『皮膚』。プロになったら自分の思う『皮膚』を作りたい」と志した。
○...「第三の皮膚」を椅子やバイクなどのデザイン、「第四」を建物などの空間としている。「『第五』が地球、『第七』は宇宙とインターネット」。服飾デザインの可能性は果てしないが、「毎回の仕事で自分の最善を尽くす」というモットーは変わらない。今回は初めて故郷での個展。「今までなかなか戻ってこれなかったけれど、藤沢でできてうれしい」と頬を緩ませた。
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