パリオリンピックのセーリング混合470級で銀メダルを獲得した 吉岡 美帆さん 湘南台在住 34歳
努力は裏切らない
○…パリ五輪のセーリング競技男女混合ディンギー470級で、「風を読む天才」と評される岡田奎樹選手とコンビを組み、「努力の天才」が銀メダルに輝いた。日本勢のメダル獲得は、アテネ大会以来20年ぶりの快挙。3度目の五輪は「これまでの集大成としてやり切った」と満面の笑みを浮かべる。
○…前回の東京大会後、男女別種目が混合に変更され、岡田選手とペアを結成。自身はヨットのバランスを取るクルー役で、「舵取り役のスキッパー、岡田選手の判断力と行動の速さに追いつくのが精一杯だった」と振り返る。たった1秒のロスが勝敗を分けるレース。自分の考えを伝えるのが苦手だったが、海外の選手やコーチとのトレーニングでコミュニケーションスキルを磨き、岡田選手とは言葉を交わすことは少なくても意思疎通が図れる信頼関係を築き上げた。
○…広島県出身。中学時代はバレーボールに打ち込んだが、高校の体験入部でヨットと出合い、「風を切って走る魅力に取りつかれた」。立命館大学時代は「無名の選手」だったが、持ち前の長身と努力で頭角を現し、リオ、東京、パリで日本代表の座を掴み、全日本や世界選手権、アジア大会で優勝も飾った。
○…セーリングの醍醐味は「自分で決めたコースを走れること」。練習拠点の江の島は第二の故郷ともいえる地で、思い入れは深い。季節や時間帯によって表情を変える富士山を望み、海岸沿いをランニング。「フルマラソンを走ってみたい」と目標を掲げる。また、「ジュニア時代から活躍するメダリストは少なくない。頑張り次第で大舞台に立てることを多くの子どもたちに伝えていきたい」と競技の普及活動にも貢献していくつもりだ。
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