下土棚在住の増田和子(48)さん=人物風土記で紹介=のデビュー絵本『パンパンジェントルパン』(福音館書店・税込1320円)が10日に刊行された。増田さんは「小さいお子さまでも、シンプルに楽しめるよう作った。ぜひ読んでほしい」と話す。
リズミカルな名前のフランスパン紳士、ジェントルパンが主人公。物語はジェントルパンがドン・チョココローネとぶつかって頭が入れ替わったことから始まる。
最大の特徴は主人公の名前に代表されるリズミカルな文章だ。幼児にもわかり、リズムにも乗れる言葉を選び、子どもはもちろん、読み聞かせで親子そろって楽しめる。同社のサイトでは「リズムにのって読んでみよう」と物語導入部の読み聞かせ動画も公開。ナレーションは増田さん。恥ずかしかったこともあり「心を無にして挑戦した」と笑う。
実はこの絵本、10年温められてきた。担当した絵本編集部の谷口高浩さんは「リズムで読む本はあまりない。作品は3、4歳くらいからきっと楽しんでくれる」と粘り強く取り組んだ待望の一冊でもある。
増田さんは亀井野の「カメイノショクドウ」で働きながら作家活動中。取材時には絵本を持った親子が訪れ、サインする場面もあった。次回作は未定だが「人を笑わせたい」と意欲に満ちている。