7月31日に東日本大震災支援コンサート「音のパレット」を主宰する三味線奏者 松田 千鶴子さん 本町在住 64歳
溶け合う音を感じて
○…江戸長唄の細棹三味線とそのルーツであるインドやトルコなどの民族楽器とのコラボレーション「音のパレット」を主宰し、今年で8回目となる。今回は東日本大震災支援コンサートとして、収益の一部を義援金として寄付する。
○…東京藝術大学邦楽科の出身。国内の芸術大学で唯一の邦楽科という狭き門に、神奈川県内では現役合格者の第1号だったという。三味線との出会いは、小学3年生。「芸事をやらせたい」という両親の意向で日本舞踊や琴を始めたのが3歳から。「浪曲、ラテン、長唄…両親がレコード屋さんに行っては新しいものを買ってきて、家には年中音があった」という。
○…1966(昭和41)年度に芸大に入学してまもなく、民族音楽の大家である故小泉文夫氏と出会い「東洋音楽史」を学んだことが、独創的なコンサートが生まれるきっかけとなる。1ドル360円の固定相場、CDもMDもなかった当時、小泉氏がテープで中東などの音楽を聞かせてくれ、「私もいつかこういう音に出会ってみたい」と思うようになった。
○…大学を卒業後、結婚、出産と同時に13年間は姑の介護に従事。舞台に出られない間は、弟子のため歌謡曲を三味線の譜面にアレンジするなど、やりたいことを見つめ直す時間になったという。
○…三味線の魅力は「手裏剣を投げるような背筋の伸びる音」。「間の芸」といわれるが、「下手すると『魔』の芸になってしまう」。三味線とインドの「シタール」、トルコの「サズ」、伝統楽器がお互いに門戸を開いて、理解しあうことで生まれる「摩訶不思議な世界」のテーマは「溶け合って解け合う」。「先入観を持たずにこんな音もあるんだと面白がって聞いてほしい」と言葉に力を込める。ベリーダンサーも迎え31日、湘南の夏を華やかに彩る。
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