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資生堂鎌倉工場 半世紀の歴史に幕 2015年3月閉鎖へ

社会

公開:2013年2月15日

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2015年3月に閉鎖を予定している、市内岩瀬の資生堂鎌倉工場=同社提供
2015年3月に閉鎖を予定している、市内岩瀬の資生堂鎌倉工場=同社提供

 化粧品国内最大手の(株)資生堂(本社、東京都港区)が1月31日、市内岩瀬にある鎌倉工場を2015年3月に閉鎖すると発表した。1959年に操業が開始されてから50年あまり。同社のスキンケア製品の生産拠点として地域に根ざした大手企業が、市内から姿を消すこととなった。

 閉鎖の理由を同社は、現在進行している事業構造改革の一環としている。具体的には操業50年以上が経過する同工場が、老朽化対応や耐震性強化に大幅な保守・修繕が見込まれることや、操業当時と異なり住宅に囲まれ、物流問題など事業継続に制約が大きくなったこと、さらに、中国をはじめとした海外での売り上げ減少を受け、生産拠点を集約することを挙げた。

跡地は売却へ

 鎌倉工場は1959年に操業を開始。化粧水・乳液・美容液などのスキンケア製品や口紅の生産拠点で、年間約1億個を生産している。従業員数は昨年末の時点で、契約社員を含めて496人。同社では、このうち正社員280人は配置転換で対応し、契約社員216人は個々の事情を踏まえて対応するとしている。同工場での生産は2014年12月に停止する予定。

 また同社では、工場跡地は売却する予定としている。売却先については「現段階では全くの未定」という。

地域に根ざし50余年

 住宅地に立地する同工場では、40年以上継続した工場見学や、現在も行っているテニスコートの開放などの活動で、地域との共生を図ってきた。

 市内今泉台で生まれ育ち、現在岩瀬に住む男性(49)は、「大船の一つの象徴が無くなるのは寂しい」とし、「気になるのは跡地。市に公園にしてもらいたい」と話した。

 また、近隣でレストランを営む男性(71)は、「経済成長期は、資生堂だけでなくいろいろな企業が町中で会社のカラーを出し合って、楽しい光景があった。また一つの時代が終わったということ」と街の移ろいをしみじみと語った。

 同社は取材に対し、「鎌倉の地で長くやってきて、市民の方と関係ができているのはありがたいこと」と話した。
 

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