鎌倉市と湘南工科大学が協働で開発し、昨秋に期間限定で公開した「VR永福寺」が鎌倉歴史文化交流館で9月15日(土)から常設公開されることになった。3DCGで再現した幻の大伽藍や庭園の様子を散策しながら見学する感覚が味わえる。
永福寺は、源頼朝が奥州攻めで亡くなった人々の鎮魂のために1192年に現在の市内二階堂に建立。室町時代に焼失し、後に廃寺となった。市の発掘調査で建物の規模や大きな池がある庭園の様子などが明らかとなり、昨年7月から史跡公園として一般公開されている。
詳細な資料がなく、これまで「幻」とされていたその姿をCG(コンピューターグラフィックス)とVR(ヴァーチャル・リアリティ)の技術で再現しようと2010年から市と湘南工科大学の協働で開発が進められてきたのが「VR永福寺」だ。
同大の長澤可也教授の研修室が、市の資料や学術的助言を参考に3DCG映像を製作。ゴーグル型の機器・ヘッドマウントディスプレイを装着し、映像を見ることで、境内を散策する疑似体験ができる。昨秋、同館の企画展で行われた体験会には、多い日で1日に100人以上が訪れ、1時間待ちになる人気ぶりだった。
常設公開にあたり、混雑状況によって再生時間を選択できるよう、最長で5分30秒、最短で1分40秒の4つのモードを設定。耳元のスピーカーからは解説音声が流れる。
長澤教授は「建物は、この時代の意匠の特徴である赤・白・緑・黒の4色で再現した。頼朝は『平泉を超えるものを』と言っていたとされる」と解説。永福寺で行われていた花見や月見の雰囲気が味わえるモードもある。
同館の開館時間は午前10時から午後4時まで。日曜・祝日は休館。観覧料は一般300円。問い合わせは【電話】0467・73・8501へ。
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