鎌倉市が、市役所本庁舎を深沢地域整備事業用地に移転・整備する方針を決めたのに対し、住民投票で市民に是非を問おうという市民団体の共同代表らが10月5日、8521人分の署名を市選挙管理委員会に提出した。
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この日提出されたのは、鎌倉市の本庁舎移転方針に反発する市民らによって発足した「市役所移転を問う住民投票の会」が9月1日から1カ月にわたり、受任者330人により市内で集めた署名。
同会では地方自治法第74条に定める直接請求によって、市民に移転の是非を問う「住民投票」を行うための条例制定を目指し、6月から活動を行ってきた。
直接請求に必要な有権者の50分の1(3005人)は大きく上回っているが、現在、提出された署名が有効かどうかの審査が選挙管理委員会によって行われている。期間は20日間。
有効署名が必要数を超えた場合、松尾崇鎌倉市長に提出される。市長は20日以内に市議会を招集し、条例案の審議が行われる。条例が可決成立した場合、「遅くとも来年1月末までに住民投票が行われるのでは」と同会では見込んでいる。実施が決まれば、鎌倉市では初の事例となるという。
同会では、「署名活動を進めるにつれ、移転問題についての市民の認識が高まっていると感じた。行政は一度立ち止まって、市民の声を聞いてほしい」とした。
市では、現在の庁舎が築50年近く、老朽化していることや津波による浸水が想定されることから整備を検討してきた。今年3月末に決定した公的不動産利用促進方針には深沢への移転を正式に盛り込み、5月1日号の広報かまくらにも「本庁舎は深沢地域整備事業用地に移転します」と掲載。ただ、決定したかのような表現に、一部の市民からの反発も高まっている。
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