深沢行政センターそばの「ブックスペース栄和堂」が10月25日(木)で閉店する。40年にわたって地域に親しまれた書店の跡地を「本を介して人と人がつながる場所」として活用し注目を集めてきたが、入居するビルの建て替えのため、3年でその歴史に幕を下ろすことになった。
同店がある場所ではもともと、「栄和堂」という書店が営業していた。文房具や雑貨も取り扱い近隣住民を中心に利用されてきたが、2014年に店主が急逝し後継者もいなかったため閉店した。
しかし15年11月、店主のおいにあたる和田淳也さんとその父・正則さんの手によって、栄和堂は「ブックスペース」として生まれ変わる。
2人が目指したのは「書店としての『場の記憶』を生かし、本を介して人と人がつながる場」を作ることだった。
そのため看板や床のタイル、本棚等はそのまま利用。書籍は利用者からの寄贈が中心で、販売や貸し出しはせず、読みかけの部分に「しおり」を挟むシステムにした。
独特の空間は様々なアーティストに愛された。店内では音楽イベントや絵画・写真作品の個展をたびたび開催してきたが、その全てが主催者から「是非やらせて」とオファーがあったものだった。
店長を務める淳也さんは「本当に偶然の連続で、人と人とのつながりが生まれていった。開店の時に目指した役割は、ある程度果たすことができたのでは」と振り返る。
蔵書については、寄贈者から希望があり本人と照会できる場合は返却するという。詳細は【電話】0467・67・6814または【メール】info@eiwado.spaceへ。明日20日(土)は臨時休業となる。
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