鎌倉市制80周年事業の一環で開設された「鎌倉仙覚文庫」に、現在「万葉集」の底本として最も信頼されているという「西本願寺本萬葉集」(覆製)20冊がこのほど寄贈された。
鎌倉仙覚文庫は、新元号の出典で注目された「万葉集」などの古典文学を集めたもので、市中央図書館に昨年11月に設立された。今回は、鎌倉市と学術分野での包括連携協定を締結した青山学院大学小松靖彦教授の仲介で、元株式会社おうふうの社長・坂倉良一氏から本が寄贈されることになった。
「西本願寺本萬葉集」は、鎌倉時代後期1266年(文永3年)に仙覚が完成させた「仙覚文永三年本萬葉集」(原本は失われている)の書写本。20冊の冊子本からなる、現在確認できる最古の完成写本とみられている。
縦が約32・1cm、横が約24・8cmで装丁は「大和綴」。仙覚と親交のあり、金沢文庫を創設した北条実時が完成後間もなく書写したものを、さらに書写したものと考えられている。
市中央図書館は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、休館をしているが、開館後に1階展示コーナーで展示紹介する予定だ。
(4月8日起稿)
鎌倉版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|