鎌倉の歴史や文化など他分野にわたる知識を認定する「鎌倉観光文化検定」。鎌倉商工会議所が2007年から開始し、今年で14回目を迎える。今号では弊紙コラム「鎌倉のとっておき」でダントツの寄稿数を誇る1級合格者2人に、勉強のコツや鎌倉の魅力を取材。外出自粛が叫ばれる中、時間を有効活用し、今から「鎌倉マスター」を目指してみては。
「五感使ってストーリーで覚える」石塚裕之さん
「鎌倉のとっておき」に34もの話題を届けてきた石塚裕之さん(磯子区在住・57歳)。「読者へ分かりやすく」をモットーに、スイーツや花、ファッションなど現代人にも親近感が湧くようなテーマを得意とする。
逗子市生まれ。歴史に興味を持ったのは高校1年生の時、源氏3代による鎌倉幕府成立を描いたNHK大河ドラマ「草燃える」がきっかけだった。「身近だった鎌倉にこんな壮大な物語があったなんて」と、日本史の世界にのめりこんだ。
就職後も「歴史好き」は変らず、週末は鎌倉へ足を運ぶ日々。「腕試しに」と50歳の時、検定挑戦を決意した。
まずは「鎌倉観光文化検定公式テキストブック」を購入。通勤中や昼休み、帰宅後の空き時間を使って頭に叩き込み、3級、2級は2年連続で合格した。1級受験準備のため2年かけ、「記述式が多い1級を合格するには、正しい知識が求められる。そのためにはいつ、どこで、誰が、何をしたかをストーリーにした。また読む、書く、話すなど、五感を使って覚えた」。その甲斐あって第10回試験では189人中、最高得点となる89点で1級を取得した。
「数えきれないほど読んだ」というテキストにはハードカバーを施し、今でも職場や旅行先などに肌身離さず持ち歩く。「歴史が積み重なって、今の生活につながっているという素晴らしさをたくさんの鎌倉の方々にも知ってもらえれば」
「寺社仏閣をカテゴリーで記憶」浮田定則さん
鎌倉検定1級のほか、京都検定2級、文部科学省認定の生涯学習1級インストラクター(古文書)の資格も持ち、これまで24のコラムを寄稿してきたのが浮田定則さん(今泉在住・41歳)だ。
大阪府出身で「過去に起こったノンフィクションに魅かれた」と、学生時代から日本史好き。子どもが生まれる28歳の時、「子どもには『好きなことをやれ』と言うつもりだったが、果たして自分はできているかと人生を見つめなおした」。この疑問を解決したのが、好きだった歴史の勉強をすることだった。
「鎌倉の歴史を深く知りたい」と2013年から鎌倉検定を目指すように。「テキストには文化財、行事、花などブロックに分けられているが、寺社仏閣ごとに一つのカテゴリーで記憶する必要がある」と境内の配置図を書いてファイリング。また「モノクロの記憶をカラーのイメージに変える」と何度も寺院を訪れ参考になるパンフレットも収集した。その結果、3年連続で合格。第9回試験で1級を手にした。
今でも平日は午前5時起床して1時間歴史の研究論文を読み、日中は仕事に没頭。週末は家族との時間を大切にするというルーティーンを貫く。「知識は財産。歴史に触れることは生涯のライフワークにしたい。今後は過去に生きた人々がどういう言動を取ったのかを知ることで、物事の本質を見つめなおしてもらえるよう歴史の魅力を若い世代に伝えていきたい」
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