今年5月、メーカーズシャツ鎌倉(株)の代表取締役に就任した 貞末 奈名子さん 横浜市在住 48歳
鎌倉から日本のモノづくり発信
○…27年前、鎌倉で産声を上げた小さなシャツ専門店が、世界中に知られるメーカーへと成長した。「鎌倉シャツ」で知られるメーカーズシャツ鎌倉の社長に今年5月、就任した。「父(同社創業者の良雄さん)のような強い個性は私にはない。その分、社員一人ひとりが知恵を出し合い、力を発揮できる体制を作っていく」と語る。
○…母・タミ子さんの実家がある鎌倉で生を受け、小学2年から30歳まで鎌倉で過ごした。父が店を始めたのはバブル崩壊の直後。「当時はなんでこんな時に、と思いました」と笑って振り返る。当初は全くお客が来なかったが「高い品質のシャツを手ごろな価格で」という信念はやがて多くの人から支持を集めるように。1998年、同社に入社すると2012年のニューヨーク出店やネット事業を手掛け、両親とともに成長をけん引してきた。「海外ではメードインジャパンへの信頼は本当に高い。外に出たからこそ、自分たちの強みを再認識できた」
○…経営のバトンを受け取ったのは、コロナ禍による全店休業というピンチの真っ只中。そこで、高品質なシャツ生地を使った手作り布マスクをいち早く販売し、50万枚を超えるヒットとなった。「当社の『らしさ』を出しながら社会のニーズを捉え、なんとか生き残っていきたい」
○…就任後に掲げたのが「鎌倉回帰」。市内の寺社で商品を撮影したり、これまで都内で行ってきた企画会議を、雪ノ下の本店でも実施するなどの取り組みを進める。「テレワークの普及など働き方が変わるなか、鎌倉が持つ豊かな自然や文化といったメッセージがこれからの時代にマッチすると感じている。私たちの仕事を通じてこれからも日本、鎌倉の良さを発信していけたら」
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