鎌倉市は避難所の感染症対策を進めている。地震や風水害など大規模災害が発生した際、多くの人が訪れ「3密」が発生しやすいためで、パーテーションやマスク、非接触型体温計などの配備が進む。また、市民にも利用の際の注意を呼びかける。
市は今年度当初予算案に、風水害時に避難所が開設される市立小学校16校にパーテーション10個ずつを配備するための予算を計上していた。
これは昨年の大型台風で、100人を超える市民が訪れた避難所があったことから「特に女性など、プライバシーの確保が必要」という声を受けたもの。
その後、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、地震の際に避難所を設ける市立中学校9校分も含め、各避難所に20個ずつ(合計500個)を配備することを決定した。パーテーションは今月初旬に全避難所分が納品されたという。
そのほか、各避難所への使い捨てマスクの配備も進む。市はこれまで、ゴム部分が劣化したりカビてしまうなどの問題から、マスクの備蓄は行ってこなかったという。
しかし市議会7月臨時会に提出した補正予算案に費用を盛り込み、各避難所に3千枚ずつ、合計で7万5千枚の購入を決定した。今後、入札などが行われる。
市総合防災課では「災害以外でも利用できるので、配備を進めたい」とする。そのほか、非接触型の体温計とふた付きごみ箱も、各避難所に2個ずつ各50個を配備する。
避難所運営も見直し
避難所の運営方法も見直しが迫られている。
受付では必ず検温を行い、体調不良や発熱が確認された場合は、専用の部屋などに誘導する予定だ。また避難者一人ひとりにパーソナルスペースを確保するため、受け入れ人数を従来の半分程度にまで絞ることが想定されている。
そのため従来は避難所が開設されても使用できるのは体育館だけだったが、教室も使用できるように各校との調整が進められている。
市総合防災課では「台風などはある程度、事前の準備ができるので、段階ごとに行動を決めておく『タイムライン』の考え方も重要になる。体調が悪い時などは無理に避難所に行くのではなく、比較的安全な知人の家に身を寄せることなども選択肢にしてほしい」と呼びかける。
今後は県立高校など、小中学校以外の場所に避難所を開設できるよう、管理者と交渉していくという。同課では「これで十分とは思っていない。引き続き必要な対策を進めたい」と話している。
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