「葛原岡ライオンズクラブ」発足
メンバー21人で始動
12月12日
コロナ禍で鎌倉市内の商工業にも深刻な影響が及ぶなか、工夫を凝らし、この危機を乗り越えようとしている事業者がある。父子3代、62年の歴史を有する極楽寺の老舗スパイス商・アナン(株)では、オンラインのカレー教室を開催。普段参加できない層の需要にマッチするなど、販路開拓にもつながっている。
同社は、極楽寺の築100年の古民家を拠点にスパイスの輸入・販売を行ってきた。「暮らしにスパイスを取り入れてもらおう」と2代目メタ・アナンさんが生み出した複数のスパイスとレシピのセット「カレーブック」は発売から37年。同社の人気商品となっている。
オンライン料理教室を開催しているのは、3代目のメタ・バラッツさん。1984年に鎌倉で生まれ、父の下で商品開発やアーユルヴェーダ(インドの伝統医学)の考えを基にした料理に取り組んできた。カレー教室のほか、イベント参加や東日本大震災後の炊き出し、被災地の雇用・観光資源創出のための「女川カレープロジェクト」など、社外の活動も多い。
カレー教室はアナン邸のほか、各地で出張開催され、毎月約120人が参加する人気ぶりだったが、コロナ禍で3月中旬には中止に。「もうすぐ50回目という時にストップしたのがとても残念。4、5月は何もできなかった」と振り返る。
そんな中、各方面で話題となったのがオンラインの活用。バラッツさんも知人らと「オンライン飲み会」をやることになり、料理教室にも使えるのではと考えたという。
テスト経て開催
まず開催中止となった期間の参加申込者約150人に、同社で人気のスパイスキットとレシピを送付。調理後はアンケートに回答してもらい、自宅での調理や味の満足度などを聞き取った。
これまでの教室では、自身の調理を「見てもらう」形が多かったが、オンラインであれば、参加者が自宅で同時進行で調理し、質問もできる。「味や香りなど伝えられない部分もあるけれど、普段よりも良い形になる可能性があると思った」
新しい形に手ごたえ
5月にテスト配信を行い、6月にはウェブ会議システム「Zoom」を使った「つきいちスパイスカレー」教室がスタートした。参加者には月ごとに異なるスパイスやコラムを事前に送付。配信中は調理をしながら、スパイスの雑学やアレンジ方法を語り、質問にも答える。
参加者は毎回さまざま。中には、幼い子どもを抱いた女性や家族で参加する人、男性の姿もあり、「距離が遠いとか、外出しづらいとか、普段直接来られない人が参加できていると実感している」とバラッツさん。さらに「月1回、最大で80人が参加できる。実際の教室よりも回数や人数は減るけれど、何もできなかった時期を考えるとありがたい。オンライン開催は好評なので新型コロナが落ち着いた後も、続けていけたら」と話す。
オンライン教室は毎月第2水曜日に開催中。申し込みは前月末までに同社のウェブサイトへ。
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