鎌倉市はこのほど、新型コロナウイルスワクチンの先行接種対象となっている65歳以上の高齢者全員に、自宅から会場までの往復に利用できるタクシー券の配布を決めた。高齢者は市内8つの会場での集団接種が決まっているが、駅から遠く駐車場がない会場もあるため、徒歩や自家用車で行けない人の「足」を確保する狙いだ。
新型コロナウイルスのワクチンは、2021年度中に65歳以上に達する高齢者(約5万5千人)に対して5月以降に先行接種が行われる予定となっている。
市内8カ所(表)での集団接種となるが、半数の会場が最寄りの駅から徒歩10分以上かかり、駐車場が利用できるのも3カ所となっている。
そこで市は接種を希望する人の交通手段を確保するために、タクシー券の配布を決めた。市議会2月定例会に関連する費用約2億3000万円を盛り込んだ2020年度補正予算を提案し、可決された。財源として市の新型コロナウイルス感染症対策基金を活用する。
接種は2回必要となるため、自宅から会場までの往復分として4枚のタクシー券が、4月23日をめどに発送される接種券や予診票に同封される。
タクシー券が利用できるのは、自宅から接種会場への往復のみ。券のなかに接種番号を記入する欄を設けることで、利用した人や距離、金額がわかる仕組みを想定する。
今後、市内で営業する13事業者が加盟する(一社)神奈川県タクシー協会鎌倉支部と協定を締結する予定で、かかった費用については同協会がとりまとめ、市に請求することになるという。
高齢者が終了した後、障害のある人や妊娠中の人などについて同様の助成を行うかについて市は「接種方法が集団なのか個別なのかが決定していないため、現状では分からないが引き続き検討していく」としている。(3月31日起稿)
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