横断歩道や交差点に近く、交通事故を誘発する恐れのある「危険なバス停」に関する調査結果が3月19日、国土交通省から公表された。鎌倉市内では、対策の優先度を示すABCの3段階でBランクが28カ所、Cランクが21カ所あった。このなかには、2018年に神奈川県警が独自に行った調査に基づいて近隣の横断歩道を廃止するなどした場所もあり、バス会社は「これ以上の対策は容易ではない」と困惑している。
バス停の安全対策については、18年に横浜市のバス停そばで発生した小学生の死亡事故を受けて、全国的に問題視されるようになった。国交省では、19年末から21年1月にかけて、各バス会社に危険が予想されるバス停の抽出を依頼した。
その結果、優先度が最も高いAランク(過去3年以内に停車したバスが要因となる人身事故が発生、またはバスが停車した際に横断歩道に車体がかかる停留所)は市内にはなかったものの、Bランク(停車した際に車体が横断歩道の前後5m、または交差点にかかる停留所)が28カ所、Cランク(停車した際に車体が交差点の前後5mの範囲にかかる、または地域住民などの意見や各都道府県の実情に応じて抽出した停留所)は21カ所となり、合計49カ所が該当した。
改善済バス停も再びリスト入り
国交省はバス会社や警察、自治体などとともに合同の検討会を結成し、具体的な対策を検討していくという。
しかし公表された停留所の中には、18年の県警の調査をきっかけに、すでに改善済みの停留所も含まれている。その中の一つ、今回Bランクとなった「西鎌倉入口」は、バス会社や鎌倉署、市による合同現地診断などを経て、20年11月、停車時に車体がかかっていた横断歩道を廃止した。
しかし調査の基準が異なるため、再び名前が挙がったもので、江ノ電バスの担当者は「後方の横断歩道が5m以内にあるためBとなったようだが、前後に交差点もあり、停留所の移設や横断歩道廃止は難しいのでは」と困惑した様子で語った。
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