新型コロナウイルスに感染して自宅で療養する人の健康を、地域の医師や看護師が見守る取り組みが、5月11日から鎌倉市で始まった。県が進める「地域療養の神奈川モデル」の一環で、県内では藤沢市に次いで2例目。県が鎌倉市医師会と委託契約を結んだうえで、地域の訪問看護ステーションの看護師が療養者の健康状態を随時確認。状況の悪化が確認された場合は、医師会の医師を通じて入院の調整などを行う。
神奈川県は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、独自の医療提供体制「神奈川モデル」の整備を進めている。
感染が判明して無症状や軽症の人は宿泊施設や自宅で療養することになる。療養者の健康状態は、保健師や看護師が電話で確認しているほか、パルスオキシメーターを貸与している。
ただ、新型コロナの特徴として呼吸不全の状態になっても自覚症状がなく、重症化の判明が遅れるケースがあるという。昨年12月には、宿泊施設で療養中の人が亡くなっている。
そこで県は各地域の医師会に呼びかけ、「より地域医療に根差した視点で療養者を見守る仕組みづくり」を進めており、3月の藤沢市に次いで県内2例目として鎌倉市でスタートした。
対象は、75歳以上の高齢者や65歳以上で糖尿病など基礎疾患を抱えている人、血中酸素飽和度が95%以下の人など。
市内で事業を行う4つの訪問看護ステーションの看護師が対象者に電話で健康観察や相談を行うほか、必要に応じて自宅を訪問する。状態の悪化などが確認された場合には鎌倉市医師会に取り次ぎ、同会の医師がオンライン診療や入院調整を行うという。
11日時点で市内で自宅療養を行っている人は22人。市医師会で同事業を担当する河郁京さんによれば、12日に1人の入院調整を行ったという。
河さんは「地域の医療体制を守るためにも必要な取り組みと考えていたが、訪問看護ステーションの看護師さんから『ぜひやるべきだ』という声が大きかったことが、県内でも早い段階でも実施につながったと思う。今後も医療ひっ迫などに備えていきたい」と話していた。
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