神奈川県下で交番の統廃合が進む中、県警の計画では2023年3月に廃止予定の北鎌倉駅前「山ノ内交番」を巡り、住民が存続を望む署名を集めている。「山ノ内交番の存続を願う住民の会」は10日間で928筆に上った署名を11月22日、要望とともに陳情として鎌倉市議会へ提出。12月議会で審議される。
発端は今年10月。山ノ内交番を管轄する大船警察署から町内会へ、1通の書面が届いた。そこには「2023年3月に山ノ内交番を統合(廃止)します」と記されており、回覧板を通して地区内に情報が回った。
書面では、山ノ内交番を廃止し、最寄りの台交番と統合する理由として、1971年築の山ノ内交番は老朽化、県内の他の交番と比較しても事件・事故が少ない、交番内は狭く1人勤務のため交番勤務員に危険が及ぶ可能性などがあげられた。大船警察署は「治安の維持と交番勤務員の安全を考えた」とし、複数勤務の台交番の勤務員が山ノ内地区のパトロールや巡回連絡に対応することも書面に記した。
観光客も多い北鎌倉駅前
交番廃止を知った地元住民たちは、「外国人を含む不特定多数の観光客が利用する北鎌倉駅前の交番。過去には、近くの学校に通う女子学生を狙った犯罪や、高齢化で詐欺被害なども起きている」とし、交番存続を求める署名活動を11月12日にスタート。12月市議会の陳情提出期限となる22日までで、住民ら928筆を集めた。
今後も署名は続け、11月末には県議会にも提出する予定。住民の会代表の関本敏子さん(72)は「統合する台交番は山ノ内から1・7Km先。落とし物を届けたり、子どもが逃げ込んだりできない。人員配置が無理なら、建物だけでも残してほしい」と訴える。
神奈川県警は昨年度から10年かけ、471あった交番を約400に再編している。
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