国の登録有形文化財に指定されている「材木座公会堂」で、耐震補強のための大規模改修工事の準備が進んでいる。昨年末に実施設計が完了し、今年2月に施工業者を決定する予定。工事は6月から12月までの見込み。
材木座地区の11自治会で構成する(一社)材木座自治連合会(渡辺英昭会長)が所有管理する材木座公会堂。1918(大正7)年に町民や別荘地の住民らの寄付で建築された集会所兼防災施設。木造2階建で入母屋造の金属板葺。97年ごろに改修が行われたが、柱も梁も当時のままの部材が今でも使われている。
同会では公会堂の老朽化や耐震性、使い勝手・コミュニティー機能などの課題が指摘されはじめたことから、6年ほど前に建て替えプロジェクトチームを発足。しかし、敷地が津波浸水想定区域であることや、建築法規制で2階までしか建設できないことなどが判明。専門家による耐震性予備調査でも、堅牢な建築であり、すぐに使用を停止する必要はないものの、「震度6程度の地震で倒壊の恐れがある」と指摘を受けたことから、建て替えから大規模改修へと方針を変更した。
今の姿を残し改修
設計によると、2階を支える四隅の通し柱を中心に補強を計画。現在は4本の通し柱とも敷石の上に乗っている状況で、工事では鉄筋コンクリートの基礎を設け、柱部分も添え柱を補強する。また南側に面している2階窓の面積を縮小して、台風などの風に対する補強も行う。
ほかに現在1つしかないトイレを2カ所にし、バリアフリー入口も新設する見込み。
大規模改修のプロジェクトリーダーを務める小野健次郎さんは「関東大震災でも壊れなかった公会堂。これからの100年のために、当時の技術や住民の思いを残せれば」と話している。
工事費用は2600万円を想定し、国や市などの補助金のほか、同会では寄付金も集めている。
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