鎌倉市は7月23日、横浜国立大学付属鎌倉小・中学校の敷地内で、大倉幕府周辺遺跡群の発掘調査現地説明会を開催した。鎌倉時代に作られた整地層の公開と出土品の展示が行われ、250人を超える見学者が訪れた。
現在の横国大付属小・中学校の場所にあったとされる大倉幕府は、1180年に鎌倉入りを果たした源頼朝が館を建設し、源氏三代にわたって政治が執り行われた。今回の調査場所は、同幕府の西はずれにあたると考えられ、江戸時代の終わりごろまで西御門川が流れていた。現在は鎌倉石を使った地下水路を形成している。
発掘調査は、古くなった地下水路の作り替えに伴うもので、今年2月から開始。土丹(どたん)と呼ばれる周辺の山々でとれた泥岩や粘土質の土を使った整地層が見つかったほか、常滑焼や漆器、銭などといった遺物も数多く出土した。遺物の内容から、整地層はすべて鎌倉時代のものと推定される。
市文化財課は、「鎌倉の歴史をより身近に感じてもらいたい」と説明会を開催。市内在住の30代女性は「歴史や遺跡が好きで訪れた」と話し、地元の60代男性は「大河ドラマも毎週見ていて、鎌倉時代に思いを馳せられた」と語った。発掘調査は今年度末で完了し、来年度から地下水路の改修工事に着手する。
8月に講座開催
市の大河ドラマ担当は、8月20日(土)と21日(日)に開催する「第30回鎌倉市遺跡調査・研究発表会」の受講者を募集中。遺跡のCG復元に携わる長澤可也氏の講演や、昨年度に市内で実施した発掘調査の成果報告などが行われる。詳細は市ホームページまたは市文化財課【電話】0467・61・3857。
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