全学年で防災学習を進める第一中学校。今年度は初めての取り組みとして、外部講師を招いて広告についての知識を学び、防災を訴えかけるポスターを制作した。地元住民にも防災意識を高めてもらおうと、11月17日には生徒たちが地域をまわってポスターを掲示。中学生たちの備えが、校外へ波及しようとしている。
沿岸部に位置する第一中では、5年ほど前から総合学習の授業で避難場所調査や避難体験などを行っている。今年の3年生の学習にはコピーライターを講師に招き、防災広告による想像力育成に1年間取り組んでいる。
生徒たちは、専門家から広告のキャッチコピーやビジュアルについての考え方を学び、夏休み前からそれぞれ防災ポスターの制作に着手。学校から配られたタブレットを活用し、文字やデザインを考案していった。
キャッチコピーに『8分後の景色。』と配した作品では、およそ8分後に到着すると言われる津波の被害を描いて注意喚起。『ヒーローの求人、はじめました。』のポスターでは、周囲に対して積極的に避難を呼びかける”ヒーロー”が増えてほしいという願いが込められた。
自治会や店舗が協力
完成した63種類のポスターは、 17日に生徒自らが学区周辺の自治会や店舗へ配布。地域の掲示板や店内など約50カ所に、12月下旬まで掲示される。飲食店を訪問した久保田迅さん(3年)は、「自分たちが作ったものが貼られてうれしい。ポスターを見た人が危機感を持ってくれたら」と語った。
各ポスターの右下には、アンケートページにつながる二次元コードが埋め込まれ、住民からの感想を募っている。その結果は、今後の学習に生かされる。
今回の取り組みには、学校が企業や団体と協働する「鎌倉スクールコラボファンド」の資金を活用し、コピーライターを講師に据えた。
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