今年1月から放映されてきたNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が、いよいよクライマックスへ-。12月18日(日)の最終回を含め、残すは3話のみ。序盤から鎌倉幕府の政治を支えてきた大江広元役の栗原英雄さんが、今作への思いを語ってくれた。
源頼朝に買われ、鎌倉へやって来た大江広元。以降も、頼家、実朝と鎌倉殿に仕える「13人」の1人として、鎌倉幕府の政所を取り仕切った。
残る放送はわずかとなったが、「承久の乱を迎え、見どころはまだまだある」と栗原さんは言い、「広元が幕府や北条義時にどうアドバイスしたのか。朝廷に対してどのような行動をとったのか。そして、政子との関係は…」。
冷静沈着。劇中ではそんなイメージの強い広元を、栗原さんはどう捉えていたのか。「ここまで寡黙で、ここまでクールだと、本心はどうだったんだろう。人生満足したのかな?私も広元に聞いてみたいですね」と口元を緩める。
鎌倉殿に限らず、役が決まると、プライベートでもその人に寄せていくという栗原さん。広元で言えば、主な衣装が茶色やグリーン系だったため、「この1年は私服も似たような色合いを選ぶことが多かった」と振り返る。また、広元は先を見通す能力に長けており、「撮影現場では常に周りを見て観察していた。先手を打てるようにね(笑)」。
撮影終了後に広元墓で感謝
栗原さん自身は、律儀な人である。
今作と同様、三谷幸喜さんが手がけた2016年の大河ドラマ『真田丸』に出演した際は、演じた人物のゆかりの地である山梨県へ幾度となく足を運んだ。
今回も、広元をまつる大江稲荷(鎌倉市十二所)で2月に開かれた「初午(はつうま)祭」に参加。「役をやらせていただくことになったので、お見守りください」と手を合わせた。それからも、休日に1人で鶴岡八幡宮や法華堂跡など作品に関する場所を訪ねたという。
鎌倉殿の撮影は10月中旬に終了。すると今度は、明王院(十二所)の裏山にある広元の墓へ出向きこう伝えた。「無事にやりきることができました」と。真田丸の時のように放送が終わっても鎌倉を巡るつもりで、「気軽にお声がけください」(栗原さん)。
長丁場の挑戦を終えた栗原さんは作品に対し、「今までの大河とは違ったインパクトを残せたと思う」と評し、「私の役者人生においても大きな肥やしとなった。作品は通過点なので、この肥やしを次に生かしていきたい」。枠に収まることを嫌う57歳は、今後も新たな姿を見せ続ける。
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