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大船中央病院に聞く 前立腺がんの小線源療法 周囲の臓器での負担軽減
さまざまな治療法が確立されている前立腺がん。そのうちの1つである「小線源療法」は、2003年に日本で医療法上認可され、全国でこれまで5万人が治療を受けてきた。
この小線源療法を日本で最初に実施し、これまでに4千例を超える治療に従事してきたのが大船中央病院の斉藤史郎医師だ。同院の前立腺がんセンターが開設されて1年半が経過し、「前立腺の中には高い線量の照射ができて、周囲にある臓器での照射量を少なく抑えられる小線源療法を、多くの方に知っていただきたい」と話す。
小線源療法は、放射線治療の一種。放射線療法は、放射線を体の外から当てる「外照射」と、がん病巣近くの体の内側から当てる「内照射」の2つに大別される。小線源療法は内照射による治療方法で、ヨウ素125が密封された小さなカプセル線源を前立腺内に留置することで効率的な照射を行って根治を目指していく。
「生活の質」維持
治療では全身麻酔や腰椎麻酔を行い、肛門と陰のうの間の会陰部から細い針を10数本挿す。その針を通して前立腺内にカプセル線源を50〜100個程度挿入していく。斉藤医師は、「近距離から病巣を照射するためピンポイントで強い照射が行われる。周囲の臓器へ放射線が当たるリスクが軽減される」と利点を話す。カプセルから出る放射線は、時間の経過とともに徐々に弱まり、1年でほぼなくなる。頻尿や切迫感などの排尿症状が一時的にみられるものの、治療後の生活の質の維持が期待される。
また小線源療法は、治療にかかる時間が1時間程度で、入院も3泊4日と短期間であることも特徴だ。「副作用も少なく、体への負担も軽い治療法です」(斉藤医師)
相談外来も設置
前立腺がんの治療方法は多岐にわたり、がんの進行度に加えて、低リスク・中間リスク・高リスクといったがんの治りにくさの分類によっても選択肢が分かれる。特に高リスクがんに対して小線源療法は効果が期待でき、外照射や手術よりも良好な成績が示されている。同院では、毎週火曜日と水曜日の午後に「前立腺がん相談外来」(予約制)を開設している。「これまでの検査結果が分かる資料をお持ちになると、より具体的なアドバイスにつながります。治療方法での悩みについて、お気軽にご相談ください」(斉藤医師)
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