100年以上前の大正時代に建築された国登録有形文化財の「材木座公会堂」が、耐震補強などの大規模改修を終えた。材木座地区の11自治会で構成する(一社)材木座自治連合会が、1世紀にわたって地域に親しまれてきた建物を残そうと実施。3月22日にお披露目式が開かれ、4月から一般利用を再開する。
建て替えか、改修か-。地域住民らの寄付によって1918(大正7)年に集会所兼防災施設として建築された材木座公会堂。100年前の関東大震災でも軽微な損傷で残った公会堂だが、近年は老朽化により耐震面が懸念されていた。建物を運営・管理する材木座自治連合会は2016年頃から検討を重ね、貴重な木造文化財を後世に引き継ごうと大規模改修を選択した。
2020年には、公会堂は国の登録有形文化財に指定。これによって国や市の補助金を活用し、さらには自治会の1世帯あたり3千円、個人・団体からの寄付で工事費約2900万円を賄った。
昨年6月から半年におよぶ大規模改修では、柱の補強をはじめとする耐震工事に加え、車いすでも利用できるバリアフリー化、多機能トイレの設置、外壁の張り替えなどを実施した。
関係者ら約40人が参加した22日の式典で、自治連合会・渡辺英昭会長(78)は「決して平坦な道のりではなかったが、皆さんのおかげで工事を進められた」と感謝を述べ、公会堂を地域コミュニティーの場や防災拠点として活用していきたいとした。松尾崇市長も、「皆さんの熱意の結果。材木座の笑顔あふれる街づくりにつながってほしい」と述べた。
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