2019年10月の台風被害によって通行禁止となった3つのハイキングコースの中で、最も復旧が遅れていた祇園山コースが今年3月までに工事完了し、鎌倉市は4月1日から3年半ぶりに通行を再開した。これにより、葛原岡・大仏コース、天園コースと合わせ、3つのハイキングコースすべてで全線開通した。
観光案内などで市が紹介する3つのハイキングコースは、2019年9月の台風15号、10月の台風19号の被害により、倒木や土砂崩れが多数発生。直後から、市はすべてのコースを通行止めに。各コースで倒木や土砂の撤去、傾いた手すりの補修などを順次進めてきた。
全面通行止めから半年後の2020年4月には、まず葛原岡・大仏コース(約3Km)で通行を再開。天園コース(約5・5Km)は段階的に通行可能となり、22年4月から全面開通した。そして1日からは、3年半にわたって全面を閉鎖していた祇園山コース(約1・5Km)が通行可能となった。
市観光課は、復旧まで最長の時間を要した祇園山コースについて、「倒木や地滑りなどで大きな被害を受けた。東勝寺跡付近では落石が確認されているので、通行の際は十分に注意してほしい」 と話す。
市は当初、3コースの整備費を約5400万円と見込んでいたが、土地所有者やボランティアが倒木撤去に協力してくれたり、コース内の文化財に対して国から補助を受けたりしたことで約2400万円にとどまった。
ハイキングコースは全面通行止めになる前、天園コースだけで年間30万人以上が訪れていた。葛原岡・大仏や祇園山と合わせ、「鎌倉の歴史や文化を、ハイキングを通じて五感で感じてほしい」(市観光課)。
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