大船警察署は5月26日、天園ハイキングコースで要救助者の搬送訓練を実施した。夏のレジャーシーズンを前に、同署が毎年行う訓練で、今年はハイキングコースを約3時間かけて歩き、危険箇所を確認した。同署は、「標高の低い山でも、滑落や遭難の可能性があるので、事前の準備を怠らないように」と呼びかけている。
今年の訓練には、大船署員9人が参加。天園ハイキングコースの明月院方面入口からスタートし、最高点の大平山で折り返し。傾斜が急な地点や、滑落が起きやすい場所を確認しながら、コース上を約3時間かけて歩いた。
大平山の山頂では、要救助者が発生したことを想定した搬送訓練を実施。警察署員が全長20メートルのロープを背中に巻き、負傷者を背負いながら登山道を実際に歩いた。また、警丈と呼ばれる棒と毛布を用いて応急の担架を作り、要救助者を乗せた際の安定感と強度を確かめた。
低山に潜む危険性
天園コースでは今年4月に、高齢夫婦がはぐれてしまった。居合わせたハイカーの協力もあり早急に解決したものの、普段使っている携帯電話を所持していなかったことが発生要因の1つだという。大船署は、「低山のハイキングコースであっても、携帯電話や懐中電灯、防寒具、水や飴などの食料の準備を徹底してほしい」と呼びかける。
市内のハイキングコースは、2019年の台風被害により天園、葛原岡・大仏、祇園山の3ルートが通行禁止に。その後順次復旧し、今年4月に祇園山コースが通行再開して、3コースすべてでハイキングを楽しめるようになった。野澤茂署長は、「梅雨の時期は天候不順なことが多いため、状況によってはハイキングを見送る決断にも努めてほしい」と話した。
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