ゲームアプリやウェブサイト制作などを主軸とするIT企業・株式会社カヤック(本社/御成町)が今春から、対面で高齢者の困りごとを解決する生活支援に乗り出した。最新テクノロジーやアイデアを掛け合わせたウェブサービスを提供する一方で、電球交換や草むしりなど御用聞きに奔走する。
「蛍光灯を交換したいんだけれど、うまくできない」。夫婦で長谷に暮らす70代男性は、チラシで見かけたシニア支援の「まごころサポート鎌倉逗子葉山カヤック店」へ試しに電話してみた。依頼を受けて4月、「コンシェルジュ」と呼ばれるサービス担当が自宅に姿を現した。
カヤックの本業がITであることを知っていた依頼者は言う。「驚いたよ。カヤックの社員が現場に来たんだから。てっきり、委託先や下請けの会社が来るものばかりと思っていた」
現場を訪れたのは、カヤックの総務部長で、新たに高齢者支援の店舗責任者も務める齊藤大輔さん(38)。蛍光灯の交換を5分ほどで終え、残りの時間は趣味の話に花を咲かせた。依頼者は「知っている企業だから安心感はあった」と言い、齊藤店長は「自分は修理のプロではなく、介護のプロでもない。それでも、シニアの方の人生が豊かになるお手伝いをしたい」と話す。
社内でパソコン→庭の草むしり
同社が参入したのは、MIKAWAYA21株式会社(東京都)が全国に約200店舗をフランチャイズ展開するシニア向け生活支援事業「まごころサポート」。カヤックは鎌倉、逗子、葉山を営業エリアとする店舗(御成町11の8)を運営し、今年4月から本格的に稼働している。
この2カ月で、60〜90代から寄せられた相談は15件ほど。内容は部屋や風呂場の清掃、庭に育った梅もぎ、病院への付き添いと多岐にわたる。話し相手になったり、スマホ操作を教えたりという要望などにも対応していく。料金は、15分ごとに500円(税込)。
これまで社内でのパソコン業務が主だった齊藤店長は「大変さもあるけれど、直接的にお客様と触れ合う機会ができ、感謝されるのがうれしい」と笑顔をのぞかせる。電子地域通貨「まちのコイン」などで地域内のつながりを促進してきた同社だが、今回の新事業によってシニア世代へのサービスも強化していく。問い合わせは【フリーダイヤル】0120・979・141。
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