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大船中央病院に聞く 「放射線治療」で広がる選択肢
肺がんや肝臓がん、前立腺がんなどの治療法として、注目を集めているのが『体幹部定位放射線治療(SBRT)』。高線量の放射線を、がんの病巣に向けて短期間で集中的に照射していく治療法だ。
「手術で大きく切除しなくてはならない臓器の深部にあるがんでも、外からピンポイントに高線量照射し、臓器の機能を温存できる治療法です」と話すのは、大船中央病院の放射線治療センター長・武田篤也医師。同院のSBRTの実績について武田医師は、「早期肺がんに対しては、当院が全国の症例数の6%を占め、局所制御率は99%。当院の2021年の全SBRT患者数は392人で、全国最多と報告されています(*)」
生活の質を維持
SBRTの特徴は、体にやさしく、短期間で終わり、治癒率の高い治療であること。早期肺がん手術の場合、社会復帰までの目安は1カ月ほど。これに対しSBRTは、1回20分の治療を5日間で行い、働きながらでも可能だ。「働いている方や、QOL(生活の質)を維持したい方、高齢の方、持病をお持ちの方にも向いている治療です」(武田医師)
患者主導の意思決定
患者の価値観やライフスタイルの多様化が進む中で、武田医師が大切にするのは、『シェアド・ディシジョン・メイキング』。医師が患者と情報共有し、治療方針を決めていくプロセスだ。医療サイドからの一方的な決断ではなく、さまざまな治療選択肢の中から最適と思われる治療法を一緒に相談しながら決めていく。
日本の早期肺がん患者の治療について武田医師は、「手術が約90%で放射線治療が10%ほど」と説明。一方オランダでは、「2018年の統計によると放射線治療が52%と手術の件数を上回っています」と言い、日本と海外で治療比率が異なるという。「手術とSBRT、化学療法、ときに無治療で様子を見ていく方針も含めて、患者さんの希望に沿って有効な選択肢を提案します。最善の治療法を一緒に決めていきましょう」(武田医師)
*週刊朝日「手術数でわかるいい病院2023・SBRT実施実患者数が多い病院」病院アンケートより
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