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大船中央病院に聞く 高齢者の大腿骨骨折 早期手術で寝たきり予防
骨の強度が低下することで骨折のリスクが高まる病気が骨粗しょう症だ。高齢者に多い「4大骨折」と称される大腿骨近位部骨折(太ももの付け根)、脊椎圧迫骨折(背中・腰)、上腕骨近位端骨折(肩)、橈骨遠位端骨折(手首)は、骨粗しょう症が原因で発生すると言われている。
「その中でも、重症度が高いのが大腿骨近位部骨折です」と話すのは、大船中央病院整形外科部長の浅井聡司医師だ。大腿骨近位部骨折は、足の骨が骨盤につながるところで起きる骨折で、主に高齢者が転倒やしりもちを付くことなどで起こる。浅井医師は、「大腿骨近位部骨折は強い痛みを伴い、車椅子に乗ることも困難となるため、手術をしない場合は寝たきりとなる可能性が高いです。高齢の患者さんは、体を動かすことができずに寝たきりの状態が長く続くと、肺炎や床ずれなどを発症するリスクもあります」と話し、骨折後の早期治療と手術の必要性を訴える。「骨折から手術までの期間が長いほど状態は悪化し、命に関わる危険性もあります」と警鐘を鳴らす。
手術が標準治療
大腿骨近位部骨折は、「手術」を標準治療とする。同院で2022年度に同骨折の手術を受けたのは、55歳から100歳までの175人。平均年齢85歳で、年代別でも80代、90代の順で多く、「手術」が高齢者の標準治療になっている。「手術や麻酔と聞くと身構えてしまいますが、高齢の患者さんでも安心して手術に臨める体制を整えています」(浅井医師)
また同院の治療過程では、入院から整形外科の枠を超えて、内科医や看護師、薬剤師、栄養士、リハビリスタッフなどが連携しながら患者をサポートする。「院内の多職種が連携することで、患者さんが骨折する前の日常生活動作に戻ることを目指していきます」(浅井医師)
骨密度検査の受診を
浅井医師は、「骨粗しょう症は自覚症状が無いため、骨折した後の骨密度検査で初めて判明するケースが多い」と言う。骨粗しょう症になると、骨折するリスクが高まるため、定期的な検査に加えて、食事と運動療法を実践することが骨折の予防につながる。
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