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鎌倉 人物風土記

公開日:2023.07.28

七里ガ浜商店会の会長を務める
ロバーツ パレマさん
七里ガ浜東在住 46歳

みんなの思いを形に

 ○…七里ガ浜商店会の会長に、日本人以外で初めて就任した。妻が経営する美容室や、飲食、雑貨、アパレルなど約40店が加盟する商店会を、今年度から率いる。ただ、先頭に立って引っ張るというよりも、「みんなの思い描くことを形にしていきたい」と話す。地域のシンボルとして親しまれる桜のプロムナード(散歩道)の景観維持に向けた活動や、マルシェによる住民交流を引き続き展開していく予定だ。

 ○…米領サモアに生まれ、2歳からハワイで育つ。七里ガ浜で商店会長になるまでのきっかけとなったのが、自身が通っていたフラダンス教室での出会い。生涯のパートナーとなる求美さんが、フラの修業で日本からやって来た。一目惚れだったという。後に結婚し、妻はハワイへ移住。息子も誕生した。

 ○…転機は2016年に訪れる。家族が第一-。自身の親の面倒は兄が見ていたこともあり、1人娘だった妻の両親のため日本行きを決めた。「簡単な決断ではなかったが、家族を大切にしてほしかった。息子も、おじいちゃん、おばあちゃんと暮らしたいだろう」。妻が七里ガ浜の母の美容室を継ぎ、商店会会長の大役がまわってきた。日本ではフラダンスのインストラクターや、ダンス衣装のデザインを手がける。歴史や文化に関心が強く、「このお寺ができたのは…」と妻に解説するほど。好きな日本食は、しゃぶしゃぶだという。

 ○…母国語に合わせ、周囲では英語での会話も広がる。商店街としても、外から来た人を受け入れ、人種や言語の壁を越えていこうとしている。「日本に来たのは妻の親がきっかけだけど、もっと大きな理由があって来たんじゃないかと思う」。七里ガ浜に新しい風を吹かせる。

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