小高い丘陵に囲まれ、狭い道や山道が数多く点在する鎌倉市。従来の消防車両が進入しづらい場所での円滑な活動を目指し、市消防本部が昨年から導入しているのが「災害対応多目的車」だ。鎌倉消防署、大船消防署、深沢出張所、玉縄出張所の4カ所に配備し、大規模災害に備える。
災害対応多目的車は、スズキの「ジムニー」がベースの4輪駆動軽自動車。小回りが利き、悪路での走行性能にも優れるため、市内特有の谷戸や狭あいな場所での活躍が期待される。
導入のきっかけは、2019年秋に襲来した2度の台風。市内各地ではがけ崩れや倒木、浸水被害などが相次いで発生し、市消防本部は「従来の消防車の大きさでは進入できない場所もあり、活動に苦戦を強いられた」と振り返る。
市消防本部は、大規模災害発生時の迅速な対応に向け、昨年12月に多目的車2台を鎌倉と大船の消防署に先行配備。今年7月には、深沢と玉縄にも1台ずつ導入して計4台に。災害現場への消防隊員の輸送や、資機材の搬入などで出動していく。
多目的車の導入開始からこれまでに、大規模災害による出動はなかったものの、救急車が進入できない場所へ出動し、患者を搬送した例もある。市消防本部は、「さまざまな場面で活用し、消防の機動力を高めていきたい」と話す。
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