鎌倉市今泉台で認知症対応型デイサービス「ケアサロンさくら」を運営し、県内で認知症を啓発する「神奈川オレンジネットワーク」の代表理事を務める稲田秀樹さん(62)が、認知症への対応をまとめた本を出版した。著書『認知症の人の”困りごと”解決ブック〜本人・家族・支援者の気持ちがラクになる90のヒント〜」は8月16日に発売され、市内書店やインターネットで取り扱われている。
新刊では、20年以上にわたり認知症ケアに携わってきた稲田さんの経験をもとに、認知症の人に起きる困りごととその原因、解決へのヒントを具体的に紹介。表紙は、知人の漫画家たちばないさぎさんによって、稲田さんの拠点のある今泉台や大船の街が描かれた。
90の事例を取り上げた同書。例えば思い出せないことについて、本人は忘れても問題のないようにメモなどで記録し、周囲の人は「私が覚えているから大丈夫」と声をかけてほしいと稲田さん。そうすることで認知症の人には安心感が生まれ、これまで通りの生活が送りやすくなると指南する。「在宅をイメージして執筆。生活機能の向上が大事になってくる」
国の推計によると、2025年には700万人に達するといわれる認知症。5人に1人という状況にも社会の理解はまだまだ足りていないと感じる稲田さんは、「もう認知症は特別ではない。困ったときにこの本を開いてもらい、役立ててほしい」。
中央法規出版より発行。A5版、217ページ。1980円。
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