鎌倉市役所の本庁舎移転を巡って松尾崇市長は8月28日、深沢地区に計画する新庁舎の開庁時期が現時点で予定より1年以上遅れ、早くても2030年5月以降になることを明らかにした。同日の定例会見で、移転に係る位置条例改正案の可決が現段階で見通せず、9月議会に提出しないことも発表した。
市役所の本庁舎移転計画では、当初は2028年度末の開庁を予定。しかし、移転には「鎌倉市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例」が市議会で可決される必要があり、市は昨年12月議会に条例改正案を提出したが否決された。以降、市は計画の検討を進めながら条例改正案の再提出を模索している。
松尾市長は会見で、「まだ再提出できる状況にない」と9月議会への条例改正案提出を見送る意向を示した。さらに、条例改正が進まない状況を踏まえ「早ければ12月議会に再提出し、仮に可決したとしても新庁舎開庁は2028年度に間に合わない」と述べ、最短でも2030年5月以降の開庁になる見通しを示した。
条例改正には出席議員の3分の2以上の同意が必要。否決された昨年12月議会では賛成16、反対10で可決には2票足りなかった。公共交通や予算面などが挙げられた反対理由のひとつに、現在地の利活用が不透明であることも指摘されていた。市はこれを受け、今年度に策定する現在地利活用の基本計画の中間取りまとめを28日に公表した。
松尾市長は「物価や人件費が高騰しており、災害のことも考えると一刻も早く移転を実現させたい」と語った。
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