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鎌倉版 公開:2023年9月8日 エリアトップへ

鎌倉のとっておき 〈第151回〉 かまくら花めぐり(宝戒寺)

公開:2023年9月8日

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宝戒寺の萩
宝戒寺の萩

 宝戒寺は、1335年後醍醐天皇の命を受けた足利尊氏により、執権(北条氏)屋敷跡に建立された名刹(めいさつ)である。本尊の子育(こそだて)経読(きょうよみ)地蔵のほか、建築技術を広めた聖徳太子や、鎌倉七福神の毘沙門天も祀られている。

 ここに咲く花といえば、早春の頃は水仙や福寿草。境内の其処此処(そこここ)で、白や黄色の花々を咲かせる。また、赤や白、絞り模様などの椿も境内に彩を添える。そして梅。参道の白梅をはじめ、本堂前の枝垂梅や、同じ木に紅白の花が咲く梅(思いの儘(まま))が競い合う。

 陽春の頃は桜。参道や本堂右の染井吉野が春本番を告げる。桜が過ぎると、その足元では躑躅(つつじ)や射干(しゃが)が一斉に花を開く。

 初夏の頃には紫陽花。参道や本堂左で、水色や薄紅色などの色鮮やかな花々を咲かせてくれる。この頃には、本堂左の無(む)患子(くろじ)の高木も黄色い花を付ける。盛夏の頃には、聖徳太子堂前の一対の百日紅(さるすべり)が、沢山の濃桃色の花を付ける。

 初秋には、参道から境内にかけて紅白の萩が咲き始める。特に、本堂前に咲く白萩は量感も豊かで見応えがあり、鎌倉の秋を代表する花風景の一つである。この時期の境内では、萩に呼応するように紅白の彼岸花も咲き揃う。秋も深まると、杜(ほと)鵑草(とぎす)や石蕗(つわぶき)が、薄紫色や黄色の花々を咲かせ、初冬を迎える頃には、境内の紅葉(もみじ)の木々が赤く染まっていく。

 白い萩の花が、北条氏を偲ぶように咲く宝戒寺。鎌倉屈指の花の寺である。    石塚裕之

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