市内山ノ内で10月29日(日)、60年に1度の「洪鐘(おおがね)弁天大祭」(洪鐘祭)が開催される。洪鐘祭は、円覚寺にある国宝の大きな梵鐘「洪鐘」に由来する祭礼で、同寺と江島神社の合同で執り行われてきた。9月11日には、同祭の一環である合同祭礼行事が円覚寺で実施され、神道と仏教が融合した儀式が執り行われた。
洪鐘祭の起源は、約720年前にさかのぼる。鎌倉幕府9代執権の北条貞時が、円覚寺にある国宝「洪鐘」の鋳造に成功したことを祝い、同寺と江島神社が合同で神事と仏事を実施。儀式に合わせ、山ノ内の村人が洪鐘弁財天を奉戴し、行列行事(パレード)を行ったことに端を発する。
貞時は、高さ約260cmの洪鐘を鋳造するまでに2度の失敗を経験。江の島に参籠し、江島弁財天の功徳をもらい、3回目で成功したと伝えられている。この神助に感謝した貞時が、江島神社の弁財天像を洪鐘のそばに祀ったことが洪鐘祭の始まりと言われている。
60年に1度開催される洪鐘祭は、近年延期が続き、1901年と1965年に開催記録が残る。今回も2020年の実施を予定していたが、新型コロナの影響で、3年越しの実施となる。関本利男実行委員長は、「無事に実施することで60年、120年後につながる祭りにしたい」と話した。
9月11日には、洪鐘祭の一環として、合同祭礼行事が円覚寺で行われ、弁財天像を神輿に乗せて境内を行列した。仏殿では、江島神社による神式祭儀と、円覚寺による仏式法要が執り行われた。
最大300mの行列
来月29日には、建長寺〜小袋谷交差点(約1800m)と、同交差点〜円覚寺(約750m)でパレードを実施。太鼓や流れ旗を先頭に、地元の子どもたちが洪鐘を模した張り子を引いて歩く。行列の長さは最大300mで、約700人の参加を予定。なお実物の洪鐘は、円覚寺に通常通り置かれたまま開催される。
パレードは、午前9時30分〜午後0時30分で、雨天決行。同時間帯は、鶴岡八幡宮三の鳥居前〜小袋谷交差点で、車両の全面通行止めを予定している。
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