混声合唱団「ムジカおさらぎ」(佐藤ゆり代表)が10月6日、定期演奏会で来場者と団員から募った83万2千円をウクライナ大使館へ寄付した。贈呈式には、ロシアによる軍事侵攻で負傷したウクライナ人のイーグルさん夫妻も訪れ、団員に向けて感謝を語った。ウクライナ大使館からは、同国の「お守り」である刺しゅう入りタオルが合唱団に贈られた。
ムジカおさらぎには、191人が所属。平均年齢80歳のメンバーが集い、毎週合唱を楽しんでいる。定期演奏会には、チャリティーの目的もあり、毎年来場者と団員から多くの寄付金が被災地などに贈られてきた。9月に行われた第35回定期演奏会では、ウクライナへの支援のためにと83万円を超える寄付金が集まった。
鎌倉芸術館で行われた6日の贈呈式には、ウクライナ大使館の二等書記官ユリアさんと共に、同国内で負傷した市民のイーグルさん夫妻も来場。団員最高齢の水野恭一さん(96歳・城廻在住)が代表し、寄付金を贈呈した。大使館からは、ウクライナで「お守り」の意味が込められた刺しゅう入りのタオルがプレゼントされた。
さらに、団員が「立ち上がれ、我らの祖国」など、鼓舞する歌詞の『フィンランディア』やなじみ深い『ハレルヤ』を披露すると、イーグルさんらが口ずさんだり、涙したりする場面も。「皆さんのやさしさ、心の豊かさに感動し、言葉が出ない」とイーグルさんは感謝の意を表した。
「あの日まで平和だった」
負傷したイーグルさんは、兵士ではない一市民だ。「あの日までは『普通』の平和だった」。ロシアによる軍事侵攻が進み、イーグルさん宅を武器を持った兵士が襲撃。「彼らは私の家族を殺そうとしてきた。家族のために戦った」とイーグルさんは時折、言葉を詰まらせながら語った。
足を負傷し、ウクライナ国内で治療を受けたが、リハビリが必要なため、10月に入ってから来日。今後、横浜の病院でリハビリに励む予定だ。
大使館のユリアさんは、「自分の尊い命、健康を国のために犠牲にした人のためにも、この寄付を使わせていただきたい」と話した。
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