「産後ケア銭湯」に取り組む助産師でYoutuberとしても活動する 大貫 詩織さん 大船在勤 31歳
家族の幸せ、思い描いて
○…「しっかり眠りたい」「自分のペースで好きなものを食べたい」「お風呂にゆっくり入りたい」―。乳児の親の心身をケアする選択肢を増やすべく、藤沢市のスーパー銭湯での産後ケアサービスを6月から始めた。自治体の事業は書類や面談が必要で、民間のホテル型は数万円かかる。「寝るために使えるよう、人の手を借りるハードルを下げたい」
○…横浜出身。昨年第1子を出産した。助産師という仕事柄、出産・育児の知識はあり、夫との2人体制だったが、育児の大変さは想像以上。ご褒美として活用した産後ケアサービスの必要性をひしひしと感じた。自身がそのサービスを提供できないか探るなかで、思いに共感し場所を提供してくれたのが、湘南台温泉「らく」だ。「赤ちゃんの声へのクレームはなく、むしろ励ます声掛けがある」。「産後ケア銭湯」への期待が高まる。
○…助産師を目指した契機は、実家の不仲にあった。「家族とは」と考えていた高校3年の時、教師が貸してくれた本をきっかけに産婦人科の仕事に興味を抱いた。「いろいろな家族に出会うここなら『答え』に近づけるかも」。さらに、総合病院で働くうち、知識が少ないまま妊娠する人の多さから「性教育を伝えたい」と資格を取得。19年には、性教育Youtuberシオリーヌとして配信を開始。今では登録者17・5万人、総再生回数はまもなく4800万に達する。
○…昨年、大船に(株)Rineを設立。今夏、県の起業支援拠点「HATSU鎌倉」のチャレンジャーに選ばれ、起業の基礎を学んでいる。「産後ケア銭湯が専用施設を持たずにできるモデルケースになれば、全国でもできるはず」。産後の辛さを笑顔に変える一助になることを願う。
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