全国最高賞を受賞した清泉女学院中学校音楽部の顧問を務める 佐々尾 優佳さん 藤沢市在住 41歳
成長に寄り添う
○…「背負っていた色んなものが浄化され、幸せな気持ちです」。清泉女学院中学校音楽部の顧問に今年3月就任し、10月の全日本合唱コンクールで最高賞にあたる文部科学大臣賞を受賞した。指揮者が変わると音楽も変わり、結果を出すことが難しいと言われる合唱。就任直後に生徒たちに伝えたのは、「結果を求めるのではなく、楽しさや幸せを感じられるように」。早速体現し、結果も付いてきた。
○…藤沢市出身で、小中高と清泉で過ごす。中学3年から音楽部に所属し、当時指導者不在だった高校では学生指揮者を務め、合唱の世界にのめり込む。その後、フェリス女学院大に進学し、音楽と国語の教員免許を取得。しかし「音楽家としての道を究めたい」と卒業後に東京藝術大へ再入学。大学3年時から非常勤講師として清泉女学院に勤め、管弦楽部や軽音楽部の顧問も経験した。
○…中学音楽部を長年指導してきた佐藤美紀子さんから受け取ったバトンは重かった。顧問に就任後は苦難の連続。4大会連続出場中だったNHK全国学校音楽コンクールは、関東大会で敗退。1週間後の全日本大会関東予選前は、部内で体調不良者が相次ぎ、大会前々日まで全体練習ができない状況に。「声が出なかったり、咳込んでしまったり」。不安を残した状態でも、最後のリハーサルまで調整を続け金賞獲得。全国出場にこぎつけた。
○…音楽部の指揮を執り半年。「これまで指導に無我夢中だったが、大会を通じて演奏を客観的に捉えられるようになってきた」。3兄弟の母としての顔も持ち、全国大会で家を不在にした3日間では、わが子の成長も感じたという。「家でも学校でも、子どもたちの成長に寄り添いたいですね」
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