無料で誰でも利用できる公共の喫煙所「THE(ザ) TOBACCO(タバコ)」が小町通りにあるアイザ鎌倉3階に設置され、11月1日から利用が始まった。設置したのは、東京などでも喫煙所を運営する(株)コソドで、鎌倉市の補助金活用第1号。鎌倉駅周辺に公共の喫煙所が設置されたのは、2019年に西口駅前時計台広場の喫煙所がなくなって以来、4年ぶり。
鎌倉市は19年9月、鎌倉駅西口の再整備に伴い、「大船駅前のような屋内型喫煙所の設置も検討したが、スペースが足りず断念した。受動喫煙防止対策を施した喫煙所の整備は難しい」と同駅周辺で唯一だった公共の喫煙所を撤去した。
鎌倉駅周辺は、路上喫煙禁止区域に指定されている。観光客や近隣の喫煙者からは「公共の喫煙所がなぜない」という声が上がり、路地裏での喫煙や吸い殻のポイ捨てといった影響も出ている。
市では、民間企業や市民に対し、喫煙所設置に対する補助金の交付事業を19年から設け、協力を募ってきた。補助金額は、設備経費が新設で上限500万円、維持管理費が年額上限240万円(最大5年間)。
しかし補助を受けるには、副流煙対策や周辺の居住者・店舗・建物などの同意、5年以上の運営などの条件がある。さらに、補助対象となる区域は元々新設できる土地が少なく、テナント利用の場合も賃料はそう安くはない。そのため、設置が進まない状況が続いた。
そんな中、名乗りをあげたのが株式会社コソド(東京都千代田区)だ。同社は喫煙所の運営や喫煙所のサイネージ広告、投票型喫煙所などの企画、コンサルティングなどを行う「喫煙所」に特化した企業。これまでに東京や大阪、横浜などでも運営してきた。
コソドは、今年2月の本紙記事で駅周辺の喫煙所問題を知り、調査を実施。市の補助金を活用し、11月からアイザ鎌倉での開設に至った。時間は、午前9時から午後5時まで。年中無休。「まずは最低限の5年間。可能であれば長期で運用したい」と山下悟郎代表。
駅前の観光案内所では、1日数件ある喫煙所の問い合わせに対して、ようやく案内ができるようになったという。市では、2例目以降の設置協力の呼びかけを引き続き行っていくとしている。
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