鎌倉のとっておき 〈第154回〉 かまくら花めぐり(極楽寺)
極楽寺は、1259年北条重時(2代執権・北条義時の三男)により創建され、最盛期には金堂や多くの塔頭(たっちゅう)を備えた大寺院だったという。本尊の秘仏・釈迦如来立像(清凉寺式)は、国の重要文化財に指定されている。
ここに咲く花といえば、陽春の頃は桜。参道の桜並木が薄紅色も眩(まばゆ)いアーチへと変わる。染井吉野の盛りが過ぎると、本堂前では一本の木に八重と一重の花が付く、八重一重咲分(さきわけ)桜が、薄紅色の美しい花々を咲かせてくれる。8代執権・北条時宗のお手植え、鎌倉生まれとも聞く。この桜は、京都御所で前を通った古(いにしえ)の天皇が御車を返し、改めてその美しさを愛(め)でたとの故事から「御車返(みくるまかえ)し」ともいう。この時期には「極楽寺の井」近くの白藤や菖蒲(あやめ)も咲き始め、春爛漫を迎える。
初夏の頃は睡蓮。当寺の開山・忍性(にんしょう)が、施薬院(せやくいん)(薬の処方)や悲田院(ひでんいん)(福祉施設)などを設けた際に使ったという石の製薬鉢の中で、涼やかな白い花を開く。そして紫陽花。茅葺の山門前は、濃桃色や青紫色など色鮮やかな花々で賑わう。盛夏には、本堂前の百日紅(さるすべり)の巨木が濃桃色の花々を付ける。
夏から秋にかけて、山門付近ではピンクや白の芙蓉が咲き揃う中、境内の其処此処(そこここ)で紅白の萩が咲き始める。季節が進むと、本堂前などの山茶花(さざんか)が紅白の花々を開く。
「東国花の寺百ヶ寺」の一つ極楽寺。現代の医療福祉との縁(ゆかり)も深い名刹(めいさつ)である。
石塚裕之
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