鎌倉幕府を開いた源頼朝の命日とされる1199年1月13日。毎月13日には、地元住民ら32人から成る「源頼朝会」のメンバーが、西御門・白旗神社そばにある頼朝の墓(法華堂跡)を清掃している。清掃活動を初めて四半世紀が経過し、「きれいな状態で次の世代に引き継いでいきたい」と会員は口を揃える。
源頼朝会のメンバーが墓周辺を清掃するのは、月命日の13日。ただし、1月13日には命日に合わせて「大蔵白旗神社例祭」、4月13日には「頼朝公墓前祭」が毎年開かれるため、それぞれ前日の12日に活動する。
今年も1月13日の例祭を控えた12日午前10時に、メンバー6人が集合。墓前の花を入れ替え、落ち葉やごみを1時間かけて拾った。市内岡本在住で、会の副会長を務める木村由利子さん(75)は、「鎌倉の礎を築いた頼朝公のお墓に祈りと感謝をしながら、清めている」と話す。翌日には、きれいになった墓のそばで例祭が厳かに執り行われた。
市民も変化実感「きれいになった」
同会は、1992年に開かれた「武家将軍誕生800年記念祭」を契機に、頼朝の顕彰を目的に発足。講演会主催やゆかりの地巡りといった活動とともに、98年から墓の清掃を始めた。
活動のきっかけを木村さんは、「当時はお墓のまわりが荒れていて残念だった」と振り返る。墓参りに訪れた地元男性も、「30年前はごみが散らかっていたのを覚えている。今はきれい」と変化を実感する。
頼朝会の活動によって、景観が維持される墓周辺。ただ、会全体の高齢化によって、会員はピーク時に200人以上いたが32人まで減少。清掃の担い手も毎月5、6人ほどだ。木村さんは「街全体で頼朝公のお墓を守っていきたい」と語り、一緒に活動してくれる人を募っている。
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