鎌倉海浜公園由比ガ浜地区が、障害の有無にかかわらず利用できる遊具を備えた「インクルーシブ広場」に生まれ変わった。公園全体にインクルーシブ遊具を設置したのは鎌倉市内初。開園日の2月27日には近隣の保育園児や障害児、親子らが集まり新しい遊具を楽しんだ。
2019年に「共生社会の実現を目指す条例」を制定した鎌倉市は、22年3月にインクルーシブ遊具のサポート付きブランコをたまなわ児童遊園に初めて導入した。
鎌倉海浜公園由比ガ浜地区では、11月から改修工事を開始。市民向けウェブアンケート、小学校や障害児通所支援事業所でのアンケート、発達支援室への聞き取りなどで利用者の声を募った。
既存のブランコや鉄棒のほか、今回は5つのインクルーシブ遊具を新たに設置。大型の複合遊具は、車いすに乗ったまま入れるスロープつき。目や耳が不自由な人も音や感触を楽しめるパネルなどもある。砂場は、車いすの人が座った状態で遊べるテーブル型だ。回転式の遊具は、車いすから乗り移りやすく、姿勢の保持が難しい人でも寄りかかったり寝そべったりして遊べる。
車いす利用者の男の子が気に入っていたのは、ジャンプや揺れを楽しむ遊具=写真下。厚さ30cmほどのふわふわしたマットで、起伏の大きな山型のものに比べ、安定感があり、1人でも姿勢を保ちやすい。男の子は、介助者に支えられながら立ってジャンプしたり、他の人の揺れを座ったまま体感したりと何度も利用していた。
一方で、課題も見つかった。遊具周辺は、ゴムチップやインターロッキング(レンガ調のコンクリート舗装)で平らにしてあるが、複合遊具のスロープ入り口の舗装の幅が足りず、車いすの方向転換が難しく、引っかかりがあった。市は「利用者の声を聞きながら、今後課題を解消していく必要がある」とする。
公園の一部は、芝生養生のため囲ってあり、家形の遊具のみ利用不可となっている。2、3カ月ほどで利用できる見込み。広場の詳細は、市ホームページで公開中。
鎌倉版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|