「鎌倉市障害者二千人雇用センター」のセンター長を務める 田原 充さん 腰越在住 50歳
心の幸せ満たしたい
○…就労相談者の思いに耳を傾け、ハローワークや病院へ付き添ったり、時には就職面接に同行したり。責任者を務める鎌倉市障害者二千人雇用センターの仕事は多岐にわたる。それでも、一人一人とじっくり向き合ってきた甲斐あってか、鎌倉市は2018年から掲げる障害者雇用2000人を達成(23年11月末集計分)。センターも雇用促進の一翼を担い、目標到達を喜びつつも「もっと大事なのは、雇用された人が働き続けていけること」と定着支援に意欲を見せる。
○…雇用センターの運営は、在籍するNPO法人地域生活サポートまいんどが鎌倉市から委託されている。社会福祉士として同法人に入り、19年5月から現職。この5年間で悔しい思いもした。雇用を提案した企業から、「障害者に頼める仕事はない」と。「障害があっても能力の高い人は多くいる。イメージだけで判断されている」。一方で、相談者が希望した企業に就職できるなど、うれしい場面にもたくさん立ち会ってきた。
○…群馬県出身。衣料品チェーン「パシオス」の創業一家に生まれた。大学卒業後は、ローソンで新規出店や店舗企画に携わった。三菱商事、パナソニックのグループ会社でもビジネスの才を磨いた。一転したのは、鎌倉への移住。片道2時間以上の通勤から職住近接へと舵を切り、ニーズが増していた福祉業界に転身した。
○…「この5年でも、障害者が働くことに対して社会が前向きに捉えるようになってきた。前進している」。利益を求める企業にいたからこそ、障害者雇用に二の足を踏む経営者の気持ちもわかる。ただ、「適材適所。戦力として歓迎している企業はたくさんありますから」。相談者、企業、携わる人の幸せを願う。
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