6月18日「おにぎりの日」
来たる6月18日は「おにぎりの日」。材木座に拠点を置く一般社団法人おにぎり協会は、2014年の設立から今年で10周年を迎えた。2月には、日本古来の健康食でまちづくりを推進しようと、都内で「おにぎりサミット」を初開催。おにぎりの持つ魅力や可能性について、協会の中村祐介代表理事に話を聞いた。
――協会について教えてください。
おにぎりは、日本が誇るファストフードであり、スローフードであり、ソウルフードです。文化的背景も含め、国内外に普及させることを目的に10年前に設立しました。当時は、今ほど国内での注目は高くなく、魅力を再発見してほしいという思いもありました。海外に向けては、おにぎりそのものを知ってもらうため、ミラノ万博での実演や提供などを行いました。米や梅などの関連食材や商品の認定・開発のほか、おにぎりに特化したウェブサイトでの情報発信も行っています。
――おにぎりの魅力はなんでしょうか。
手軽に作れて、どんな具材でも合う。その土地の文化や産品が影響していることも多い。私は一周回って、梅と明太子が好きです。
おにぎりは弥生時代にはあったとされ、源氏物語や浮世絵にも登場する「最古の日本料理」。日本人なら家で作ったり、受験勉強や運動会で食べたりと思い入れもあり、誰もが語れるコミュニケーションツールです。
――まちづくり推進を目指して、サミットを開催したそうですね。
初開催の今回は、米の南魚沼市、鮭の村上市など、おにぎり関連の産地・7自治体の市長町長とそれぞれの持つ課題や取り組みを話し合いました。企業なども参加し、おにぎりで共感を生み、共感を持った者同士で産学官民連携し、業界や自治体を超えて新しい取り組みを形にしていく。ツーリズムやノウハウ共有、ふるさと納税商品の開発に災害協定と早速幅広い動きがあります。第2回は一般参加も視野に入れています。
――社会課題解決の可能性もありそうですね。
米の消費は減少傾向にある一方で、おにぎり消費は増加傾向です。家で食べる内食から、コンビニ・スーパーでの販売が増えて中食にもなり、コロナ禍の外食控えを経て「ちょっといいおにぎり」を食べる人が増え、専門店で外食する文化も出てきたからです。
おにぎりで地元の米や食材を食べることで食料自給率が上がり、地産地消なら配送のためのエネルギー消費やCO2排出量を抑えられる可能性があります。
また、米のでんぷんには食物繊維と同様の働きをするレジスタントスターチが含まれており、冷めることで増えます。冷めたおにぎりは最高の健康食ともいえるかもしれません。
――作る・食べる以外の楽しみ方は。
協会サイト(https://www.onigiri.or.jp/)に「おにぎり検定」があります。合格すればオニギリストに認定です。鎌倉でも企画を構想中ですので、お楽しみに。
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