鎌倉市と玉縄台自治会が高台に住む住民の外出をサポートする循環バスの実証実験を、7月19日に開始した。坂道の多い区域の同自治会が市に相談し、玉縄すこやかセンター(指定管理者・市社会福祉協議会)の協力のもと、センターでの送迎ルートとは別に、空白地帯の高台の住宅街を回る新たなルートで毎週金曜日の午後、無料送迎を行う。
標高60mを超える高台もある玉縄台自治会では、高齢化に伴い、運転免許返納や自家用車の売却で外出に悩む住民から支援を求める声が上がっていた。そこで、昨年度の自治会役員を中心に「お出かけ支援バス検討チーム」を発足。似た悩みを持つ近隣自治会などと情報交換し、鎌倉市にも相談を持ち掛けた。
既存バス停との標高差は約30m
大船駅西口からは神奈中バスが運行中だが、課題は「玉縄台停留所」から標高差が最大30mある玉縄2丁目と5丁目の住宅街への移動だ。
現在、すこやかセンターでは、日曜・祝日を除く1日5便、関谷・城廻・植木・大船駅などを巡るルートで送迎バスを運行している。
今回の実証実験では、センターの送迎バスの空き時間を利用し、9月20日までの毎週金曜日、同センターを午後1時40分と2時20分に出発し、7つの停留所を経由して運行する。定員は8人。高齢者に限らず誰でも無料で利用できるが、チャイルドシートや乗車の介添えはなし。
初日の第1便に乗った80代女性は最高地付近に住んでおり、「ありがたい。暑い日、荷物が重い日でなくても大変。継続してもらうためにも活用しないと」と喜びを語った。2便を利用した80代の女性2人組は「回覧のチラシをコピーして持ち歩いて、楽しみに待っていた」と話した。
市では利用者にアンケートを用意し、自治会が回収。今後、利用者の声や人数などをもとに継続の可能性を探っていくという。
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