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鎌倉版 公開:2024年8月9日 エリアトップへ

鎌倉のとっておき 〈第167回〉 古都の縁(鎌倉と京都)―衣張山と衣笠山―

公開:2024年8月9日

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衣張山から見た稲村ケ崎
衣張山から見た稲村ケ崎

 衣張山は、鎌倉幕府・大倉御所(現在の清泉小学校付近)の南東方向にある山で、 源頼朝が夏の暑い日にこの山を白絹で覆わせて雪山に見立て、眺めながら歌を詠み、酒宴をひらいて夏の涼をとったという伝説が名前の由来となっている。

 衣張山はハイキングコースとなっており、鎌倉最古の寺である杉本寺を起点とするのが分かりやすい。杉本寺の門前で金沢街道を通り、滑川に架かる犬懸橋を渡り、200歩ほど行くと報国寺と大御堂橋を結ぶ田楽辻子に出る。その四つ角には「上杉朝宗及氏憲邸址」と書かれた石碑が立っている。田楽辻子を越えて少し行くと住宅街を抜け、奥に続く道が平成巡礼道で、この山道を15分程行くと衣張山の山頂に至る。衣張山は標高121メートルの低山だがとても見晴らしがよく、鎌倉市街を一望でき、稲村ケ崎や富士山も望むことができる。また、映画『海街diary』のロケ地としても知られている。

 衣張山を訪れた後は、南の方角の名越切通や、旧華頂宮邸と報国寺のある金沢街道方面に行くこともできる。

 ところで、京都には衣笠山という似た名前の山が、金閣寺〜龍安寺〜仁和寺を結ぶ「きぬかけの路」の北側にある。頼朝から遡ること約300年、宇多天皇が真夏に雪景色が見たいと、この山に白絹をかけたという故事がある。源頼朝の衣張山と宇多天皇の衣笠山、とてもよく似た話だと思いませんか?   

        山東直大

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